第10回 ラジオの競馬キャスターになるまで

第10回 ラジオの競馬キャスターになるまで

5月 27, 17
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話はもどりますが、4月のドラマのロケのときに預かった1万円で、この年、平成5年は、ビワハヤヒデを中心に馬券を買っていました(私はビワハヤヒデと岡部騎手のコンビを強くてとても好きだったので)。ただし出走するといつも一番人気になるので、高配当は望めません。しかしそこは朝ちゃんの『チリ山馬券必勝法』、コツコツ元金を増やしていき、11月ごろには7万円になったので、愛川さんに電話をしました。

「どうせすぎになくなってしまって、あんなことを言った手前、かっこうが悪くて電話できないのだろうから、こっちからかけようと思っていたところだよ」

「じつは7万円になったので、お返ししたいのですが」

「いいよ、まだ当分きみに預けておくから、そのまま持っていて、また馬券を買っておいてよ。なくなったって気にしないからね。本当によく当たるんだねえ」

「はい、そうなんです。私、ラジオで競馬の実況中継をしている井口保子さんのような、ああいう仕事を前にしたいと思っていたんですが、なかなか縁がなくて……」

「そうか、競馬ねえ……」

とそのときはそれきりになってしまいました。

それから、その年、平成5年、12月26日の第38回有馬記念レースで、私はトウカイテイオー、ビワハヤヒデの枠連3-8、940円を当てて、愛川さんから預かった1万円はとうとう8万円になったのです。

それを愛川さんに連絡すると、思いもかけない言葉が返ってきました。

「そんなに競馬の仕事がやりたいのなら、どうだろう、ひとつ来年の4月からぼくが始める文化放送のラジオの番組で競馬の予想をやらないかい」

二つ返事で、「やらせていただきます」と答えたけれど、私はラジオの仕事や競馬の予想など実はひとつもしたことはなかったのです。しかも、

「1カ月間、毎週3レースやり、4周の月で12レース、5周の月で15レース、ひとレースも当たらなかったら、次の月からきみはいないよ」

と恐いお言葉付き。私はやっとみつけたレギュラーの仕事、実況ではないけれど競馬の予想をやらせてもらえるのだと少々有頂天。しかし2年間というもの、毎週毎週、今週はずしたら来週はないぞというプレッシャーとの戦いであったことも事実です。しかしこの言葉があったからこそ、私はがんばれたし、当たったときの喜びもまた人一倍大きかったのだと思います。

そして毎週放送を聞いてくださったリスナーからは「困ったとこの朝ちゃん頼み」とまで言われ、こんなに嬉しかったことはありません。これが私の元気のもとなんです。

そんなわけで、愛川さんの1万円を8万円にまで増やしたのですが、私は番組が終わった今でも枠連買い。今は馬連の時代なのに古いと言われるかもしれませんが、朝ちゃんの『チリ山馬券必勝法』『銀行馬券』の買い方を頑として守っています(けっこう頑固なんだな、私)。

さあさあ寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、これが朝ちゃんの『チリ山馬券必勝法』。

配当金こそ少ないが、損もしないし、させません。気がつけば少しずつでもプラスになる。まずその買い方は枠連だ。万馬券ネライのオニイさんも、こっそり枠連押さえてる。欲はかかずに、汗をかけ、大儲けなんか狙わずに、こつこつこつと元返し!

なんか寅さんのようになってきましたが、私の買い方は一定の元金以上に馬券は買いません。配当が元金以上になったときは元金をとって、あとは貯金をする、男の人には笑われるかもしれないけれど、女の人にはそういう買い方のほうが合っているし、そうやってこつこつと貯めていくことが、やがては競馬に勝つことになるのです。また競馬を長く楽しむ方法なんです。

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