Monthly Archives:5月 2017

ASAちゃんの競馬予想》第84回日本ダービー(GⅠ)

5月 28, 17
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オークスは、阪神JFの2歳女王のソールスターリングが、桜花賞の雪辱を果たし、見事樫の女王に輝き2冠達成。本当に強かった。藤沢厩舎とルメール騎手は、オークス初勝利。
オークスの帰り道。もうダービーの席を取るためにと大勢の人が並んでいた。一週間前から、良い席をゲットするために並んでいるのだそうだ! 競馬ファンは凄い!

《オークス払戻金》
単勝② 240円  枠連 1-1 2280円  馬単 ②① 2790円
三連複 ①②⑯ 4600円  3連単 ②①⑯ 20130円

春のGⅠ戦線第9弾 第84回日本ダービー(GⅠ)IN 東京競馬場

さあ、競馬の祭典日本ダービー。2014年生まれで、7015頭の頂点目指して、いざ出陣。
果たして頂点に立つのは…? 今年は戦国ダービーと言われて大混戦ムードプンプンだ。だから絶対の人気馬がいないが、皐月賞に続いてクラシック2冠を達成できるのか? アルアイン。楽しみだ。そして「ダービー馬はダービー馬から…」の格言もある。とにかくダービーは好きな馬から買うことにする。

◎⑫レイデオロ     C・ルメール  キングカメハメハ産駒。精進をピッタリ合わせて、好気配で本領を発揮。距離もOK。先週のオークスに続いて、ルメール騎手は今週も勢いに乗って、また19頭目のダービー挑戦で、初制覇を虎視眈々と狙う、藤沢調教師。
〇⑱アドミラブル    Ⅿ・デムーロ  ディープインパクト産駒。前走圧巻の走りで…。まだ底見えない。ダービーのトライアル戦青葉賞組からそして、新馬戦ブービーからの大出世で史上初のダービー制覇を虎視眈々と狙って…。歴史を塗り替えるかも…。
▲④スワ―ヴリチャード 四位洋文    ハーツクライ産駒。左が得意で東京コースは大歓迎。皐月賞6着からの巻き返し必死。
✖⑦アルアイン     松山弘平    ディープインパクト産駒。根性最高。2400Ⅿ問題なし。史上24頭目の春の2冠制覇に向けて松山騎手と虎視眈々。
△⑥サトノアーサー   川田将雅    ディープインパクト産駒。照準はここに充てて、その末脚に警戒。鞍上は史上3人目のダービー連覇を虎視眈々と狙う。
△①ダンプュライト   武豊      ルーラーシップ産駒。安定感抜群。堅実な脚で信頼できる。重賞3戦連続3着で1勝馬の初ダービー制覇をこちらも虎視眈々と狙う。
△⑪ペルシアンナイト  戸崎圭太    ハービンジャー産駒。東京が良いかも?距離も問題なし。再度優勝圏内だ。戸崎騎手は、63年ぶりのテン乗り優勝をこちらも虎視眈々とねらう。
★⑬カデナ       福永祐一    ディープインパクト産駒。切れ味抜群。皐月賞9着からの巻き返しを狙って、鞍上は18度目のダービー挑戦で初勝利目指す。

以上を⑫レイデオロから  馬単BOXで ④⑦⑫⑱    で12点
             馬単マルチで ⑫⇔①⑥⑪⑬  で 8点
             三連複⑫→①④⑥⑦⑪⑫⑬⑱  で21点
             枠連6枠から総流し      で 8点
              合計             49点

うつみ宮土理ひまわりコンサート

5月 27, 17
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うつみ宮土理ひまわりコンサートのお知らせ
2017年6月25日(日)/中目黒キンケロシアター
第一部:劇団キンキン塾公演
「驟雨」 脚本:岸田國士 演出:真実一路
出演:木村なおみ、松永 夕、菅原 純、せのうのりこ
第二部:ひまわりコンサート
出演:うつみ宮土理、森 朝子、秋篠桂子、キッコ

劇団キンキン塾 愛川欽也生誕記念公演

5月 27, 17
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愛川欽也生誕記念公演公演のお知らせ

 

「花は紅 染千代一座」二幕七場

5月 27, 17
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愛川欽也追悼公演

劇団若獅子プロデュース公演vol.4

 

第17回 自分に忠実に、ひたむきに

5月 27, 17
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私は今でも毎週日曜日は競馬場へ出かけます。そしてブラウス、セーター、ベスト等は必ず馬の柄のものを身につけます。馬のブローチ、馬のイヤリング、馬のペンダントも。そして指輪も馬のデザイン。そのぐらい私は馬が好きだし、競馬のお仕事が楽しいのです。

舞台の仕事をしていたとき、「お客さんには見えなくても一緒の共演者には、ちゃんとこの人は一生懸命役に取り組んでいるのが見えるんだよ」と先輩に言われたことがありました。いつでもどこでも私は自分自身に忠実に生きたいし、人生をひたむきに歩んでいきたいと思います。たぶん競走馬の一生もそうだと思いますが、私は自分が後悔しない一生を送りたいと思うのです。そしてそれによってこそ明るい未来が開けてくるような気がします。

これからも舞台、テレビ、ラジオと忙しく駆け回りますが、競馬の仕事にももちろん力を入れてがんばります。これからも応援してください。よろしくお願いします。

第16回 パドックで見た馬ってすごい!

5月 27, 17
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まだこの放送のお仕事を始める前に、何回かは競馬場の下見所、パドックに行ったことはありますが、パドックはいつも混んでいて、なかなか馬が見えません。ましてやG1レースともなるとよほど前から待っていないと、前のほうで馬を見ることができません。人混みをかきわけながら馬を見ると、どの馬もみんなピッカピッカでとてもきれい。そして「わあ、大きいな。馬ってすごいな」っていつでもそう思いました。このお仕事を始めるようになってからは報道員用のパスをもらったので、パドックの報道専用の場所に行きました。手を出せば馬が舐めてくれそうな至近距離です。私がそのパスで恐る恐る東京競馬場のパドックの前のほうに行ったのは、番組が始まって1カ月位たった平成6年の5月29日、第61回日本ダービーの日。ダービーは1万頭以上の4歳馬から選びぬかれたたった18頭しか出場できません。昔、イギリスのチャーチル首相が「一国のあるじになるよりダービージョッキーになるほうが難しい」と言ったとか。

ダービーに日は晴れ、良馬場。精鋭の18頭が厩務員さんや調教助手さんに引かれながらパドックを静かに回っています。どの馬も背中に光が映えて輝いていました。この時、私は1頭の馬と目が合いました。まんまるく、なんと澄んだきれいな目をしているのだろう。私は思わず感動で涙ぐみそうになりました。その馬の名は、私が第1回目の放送で「皐月賞に勝ち三冠馬になれるのはこの馬」と言ったナリタブライアンです。そしてナリタブライアンは私に「僕はきょう絶対に勝つよ」と言って、微笑んでいるように見えました。そして本馬場では他馬をよせつけず、5馬身もぶっちぎって勝ってしまったのでした。私は放送中またまた感動して声で出ませんでした(パドックで勝つよってウインクしてくれる馬がいたらいいんですけど)。

第15回 ゴンドラ席でのこと

5月 27, 17
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さて競馬場での中継の第一線基地、ゴンドラ席についてお話ししましょう。私は放送中11時頃にスタジオを飛び出し、JR四谷駅から総武線に乗り西船橋駅で乗り換え、JR武蔵野線の船橋法典駅で下車。そのまま長い地下道を通って、途中エスカレーターに乗り、パドックの側の西玄関からエレベーターでG1階へ、そこから文化放送の放送席へ行きます。中山競馬場は1階から4階は一般席、指定席となっています。G1階へと行けるエレベーターを降りてまず目につくのが2台並んだ飲み物の自動販売機。エレベーターを背にして左側に各テレビ局や新聞社やラジオ局、そして来賓室などがあり、各扉に小さな看板が出ています。右側はJRA職員の待機室や報道陣用の馬券売場や払い戻し窓口がならんでいます。

中山は平成2年に改修工事が終わっているので、府中の東京競馬場に比べるはるかにきれいです。馬券売場がなければふつうの会社のオフィスのような感じです(実際、新聞関係の方々は、ここで原稿を書いているのです)。ゴンドラとはぶら下がっているとか吊り下げられているという意味。従って、競馬場のゴンドラ席はスタンドの屋根にぶら下げられているのです。野球場の実況席もそうですよね。そういえば東京競馬場などは、風が強いとゴンドラがよく揺れ、1時間もすると船酔いのようになります。でも眺めはとてもいいんですよ。

第14回 さあ本番開始「朝ちゃんに乗りたい!」

5月 27, 17
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いよいよ競馬キャスターとしての腕の見せ所。4月17日からの放送は朝10時から夕方の5時45分まで、8時間の超生ワイド番組です。

「朝ちゃんに乗りたい」コーナーは朝10時40分から11時までの間の、5分から10分間で、競馬や馬の話をしてから、その日買うレース名を3レース発表して、愛川さんのポケットマネー1万円と局から1万円を貰います。そして愛川さんが視聴者からのお便りを読みます。締めは愛川さんの火打ち3回に、「いってらっしゃい、がんばってね」の声で送り出してもらうのです。

さてこのお金の行方です。愛川さんから預かった1万円分の配当金は愛川さんに返します。局からの1万円はその配当金を毎週いただくはがきの中から1名さまにプレゼントするのです。もし3レースともはずれたら、残念賞として文化放送のテレカです。

私はこの「朝ちゃんに乗りたい」コーナーにはがきが1枚もこなかったらどうしようと思いましたが、毎週何百通もいただいて本当に嬉しかったのです。

そしてお昼の予想の時間は競馬場のゴンドラ席といわれる放送席からの生中継でその日のレポートも交えながらメインレースを含む3レースを予想するのです。このときはスポーツ部の競馬中継もやっている長谷川太アナウンサー(通称のび太さん、漫画「ドラえもん」に出てくるのび太さんそっくりで、プロ野球、サッカー、マラソン、ラグビーなどの実況中継のベテラン花形アナウンサー)と一緒です。

長谷川さんにはずいぶんお世話になりました。番組が始まって1カ月間というもの緊張のあまり食事がまったくのどを通らなかった私を見て、言ってくれたのです。

「森さん、食事をちゃんととらないと身体がもちませんよ。これから長いんですから。かっこんででも、一口でも食べるようにしましょうよ。ぼくも一緒に食べるようにしますから」(やさしいんだなあ、これが)。

こうして一緒にお昼ごはんを食べてくれるようになったのです。そして競馬のことだけでなく、いろんな放送のコツを教えてもらいました。

私の出番は12時45分から58分、まずことに12時50分からは特別なことがない限り、第6レースをやってることが多いのです。初めのころはそのレースのゴール寸前にスタジオから呼びかけられると、ワーワーという大歓声の中で話さなければならず、それに負けずに大声でどなりながらしゃべり返していたので、もともと地声の大きな私は隣の放送局のオンエアーの中にも私の声が入ってしまって、スタッフが平謝りに謝っていたことなど知るよしもありません。また馬の名前を言い間違えたり、1着、2着を1位、2位と言ってしまいました。このときいつも時間がなくなって時報(ちょうど1時)になってしまうこともあります。すると私は自分の予想を時報内に入れたいと焦り、早口がいっそう早くなってしまい、何が何だか分からなくなってしまうのです。ふだんから早口なのに、特に気持ちがのってくるとどんどん早口になっちゃうんです。以前所属していたプロダクションの社長はインテリ風に見えて実は大の競馬ファン。私の早口の放送を聞いてくれて「また気持ちがのってきたな。おもしろいけど言っていることがわからなくなるんじゃないかと、ハラハラ、ドキドキしながら聞いていたよ」と言われました。とにかくせっかく予想したんだし、自分の話も全部聞いてもらいたいと思う一心で、早口放送となり、そんな日はスタジオに戻ると、愛川さんに温かく注意をされました。

そして午後3時台、メインレースの10分位前にいつも呼ばれ、そのときはそれまで私の買った2レースの結果とこれから行われるメインレースのオッズや、パドックで馬を見てどうだったかを伝えて、実況に入るのです。しかしこのメインの前のスタジオからの呼び出しに応える私の第一声の調子で、スタジオでは当たりはずれが分かるそうです。私はなるべく分からないように普通にやろうとするのですが。

実況中継が終わると、一日の結果をもって急いでスタジオへと戻ります。往復はもちろん電車です。だから行きも帰りも、ファンの様子や馬の人気などいろいろ生の情報がレポートできるのです。1レースでも当たったときや、全部的中したときは足取りも軽やか。全部はすしたときはこのまま家に帰りたいという気持ちになり、スタジオの扉を開けるのがとてもいやでいやでたまりませんでした。だって当たったときは、「よかったね、おめでとう。きょうは何分でも話してもいいよ。好きなこと言っていいよ」って、その日の最後の放送時間を私にくれるのですが、初めて全部はずしたときは、プロデューサーが扉の外で待っていて、「きょうは全部はずしてすいません。来週がんばります、で終わってくれ」と言われ、まったく意気消沈(情けないぞ、朝子)。

それ以来私は、帰りはまっすぐにスタジオに寄らずに一緒に出演している報道部の野中直子さんや、交通情報の夕佳ネエサンのところでお茶を一杯飲んでからスタジオに入るようにしました。この2人はどんな時でも「朝ちゃん、おかえり。ごくろうさま」と明るい笑顔で迎えてくれました。放送の中でこの3人は「行かず後家」で通ってしまって、それぞれ番組の中でお見合い相手を募集したり、3人それぞれ対抗意識を燃やしながら、放送を楽しんでいました(こんないい女を3人もほっとくなんて、世の男どもの眼はどうなっているのかねえ)。

第13回 こんなふうにやります、競馬の予想

5月 27, 17
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さて、馬券の買い方です。

枠連で買うのか、馬連で買うのかですが、当然、今や馬連の時代です。当たれば馬連のほうが配当もいいし、馬連にしてほしいという声はずいぶん前からありました。それに堅い馬券じゃつまらない。スポニチの諸星由美さんのように穴馬馬券を狙ってほしいという声もありました。しかし専門的に競馬をやる人はこの番組は聞かない、だから女性のしかもビギナーの私が予想をするのだから、女性対象の馬券の買い方にしたいと思いました。

先ほども書きましたが、つまり堅くて、配当は少ないけれど確実に元返しができる買い方。となると当然、枠連買いです。そして元金は毎週1万円しか使わない。これが競馬に勝つ方法。『チリ山馬券必勝法』であり、私が名付けた『銀行馬券法』です。つまり手堅く買って、配当金を元金を除いて預金しておく方法なのです。「朝ちゃん流競馬必勝法!」これではつまらない、だって今は馬連の時代だよという意見は続出しました。のちにゴンドラに行ったときも、スポーツ部の競馬担当の人にさんざん枠連はつまらないと言われました。

でも私は競馬を知らない女性の方たち、特にご主人が競馬好きだけれど、自分ではまったくやらない主婦の方とか、OLの人たちを対象に、わかりやすく、しかしガツガツしないで、競馬を楽しみながら少しお金を儲けようと、この方法を変えませんでした。今でもそのやり方で枠連を買います。ただし、私の場合、○枠○番という馬と○枠○番を、というやり方で放送していましたので、よく私の予想を聞いてくれている人たちは馬連も買って「ずいぶんと儲かった」なんてあとで言ってくれました。そうなんです、1年間予想して代用的中(つまり、同じ枠の中の私の選んだ馬のとなりに入っている馬のほうがきたケース)は5回しかありませんでしたから、馬連の的中確率だって高いのだと胸を張って言えます。エッヘン!

第12回 いよいよ放送が始まった

5月 27, 17
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本番前日、キャスト、スタッフの顔合わせがありました。そこで初めてラジオの台本をいただいたのです。表紙のキャストのところに私の名前もありました。

「ラッキーエンジェル森朝子」(うまいこと言うな、放送作家は)

誰が名付けたのかうまいニックネームだと感心。さて台本を開くと驚きました。

愛川「この番組の目玉のひとつ、競馬は朝ちゃん、朝ちゃんにおまかせのコーナーです。朝ちゃん、おはよう」

森「(うける)」

愛川「(うける)」

森「(うけて)」

愛川「(うけて)」

森「(うけて)」

愛川「(ここでしめる)」(約何分)「では朝ちゃん、いってらっしゃい。がんばって」

うけて、というのはギャグを言うことではありません。相手の話を引き継ぎ、合わせることなんです。私は今までこんなふうにしか書かれていない台本は初めてだったので、本当に驚きました。テレビドラマや舞台の台本は、台詞がたったひとことであっても書いてあるんです。ラジオの台本は構成台本といってほとんどの場合、簡単にしか書いてなくて、出演者が自分で考えてしゃべるのだそうです。生放送で、しかもその場でレポートや実況をしなければならない私たちは書かれるはずはないのです。だから8時間も生放送をやる愛川さんは本当にたいへんなことなんだなあとあらためて感心。感心ばかりしている朝ちゃんです。

さて愛川さんの例によって楽しき訓示のあと、ひとりずつ紹介されます。

アシスタントの一条圭さん(二代目のアシスタントは藤森涼子さんでしたが)、外回りの寺島尚正アナ、太田英明アナ、ニュースを読む野中直子さん、交通情報の沢田夕佳さん、それからプロデューサーや、ディレクター、ミキサーさん、構成作家の坂内宏先生、山口克久先生などです。

眼鏡をかけ、色白で中肉中背の、ちょっぴり神経質そうだけど、とても物静かな話し方をする坂内先生、よく番組の中で、愛川さんが「バンナイ、バンナイ」と呼んでいた方ですが、私はこの方のひとことで大きく目覚めました。

ラジオの台本はこと細かに書いてあるシナリオはないというものの、コーナーによっては台本を見てしゃべっている人もいるのに気がついた私は、自分で取材したものを書いておいてスタジオに持ち込み、ノートを見ながら愛川さんと話しました。ところがノートばかりに気をとられて、愛川さんに話しかけられても、ちぐはぐな返事。それを目の前で聞いていた坂内先生がとても言いにくそうに、でもやさしく注意してくれました。

「朝ちゃん、台本を自分で作ってきたのはいいと思うけれど、その紙ばかり見ていてはさっきみたいに話がちぐはぐになってしまうよ。紙に書くのはポイントだけにしておいて、来週はとちってもいいから、メモ書き程度の紙を見てやったほうがいいよ」

私は真っ赤になって泣きそうになりながらも言い返してしまいました。

「だって他の人は全部見てしゃべっているのに、どうして私はいけないの」

「彼らはラジオの大ベテランだよ。きみはちがうだろう。とちってもいいよ、がんばれよ」

私の目からは大粒の涙が落ちました。そうだ、誰だって最初はあるんだ。うまくできなくてあたりまえだと思ってがんばろう、とウルウル眼で誓ったのでした。このアドバイスを受けて以来、私はポイントだけを紙に書き、ノートを見なくても話せるようになりました。のちにテレビの生放送に出演してからも、それが平気でできるようになりました。坂内先生には本当に感謝しています(しおらしく)。

それから愛川さんにはこんなアドバイスをいただきました。

「たとえば中継に出たとき、テレビは映像だから目で見えるから、もしもなにかで言葉が詰まって黙ってしまっても、現場の様子はわかる。だけどラジオは音だけで判断するしかないから、きみが黙ってしまったらスタジオではなにもわからない。だからわけがわからなくなっても、絶対に黙ってしまわないように。ラジオは3秒間無音になったら放送事故として局全体の問題になってしまい、責任者が始末書を出さなければならないんだよ」

そのことがいつも頭にあってか中継しているとき、愛川さんは私が0.01秒でも息をのんでしまうと、すかさずしゃべりまくられてしまいます。私はそれにまけじと早口がますます早口でしゃべってしまい、早いとよく怒られました。

まあそんなわけで、いろんなことがありましたが、いよいよ第一回目の放送という前の晩、私は緊張のあまり眠れませんでした。

さて平成6年4月10日は本番の日です。この日は午前10時から午後1時45分までと通常の半分しか放送はありませんでした。第54回桜花賞があり、この日をかわきりに春のG1レースが始まったのですが、私の出番の競馬中継は残念ながらありませんでした。結果はオグリローマンが1着、ツインクルブライトが2着で枠連で1-4、2230円。馬連は万馬券1万8140円でしたが、予想だけでもしていれば、私はツインクルブライトと同枠のメローフルーツを買っていたので代用的中ですが、枠連の予想は当たっていました。

私はこの第1回目の放送のとき何をやっていたかというと、ラジオカーに乗ってQR(文化放送)の寺島尚正アナウンサー(通称てらちゃん)と一緒に、花見客でごったがえす上野公園のお花見中継へと飛び出して行ったのです。てらちゃんと一緒に外に出たのはこれが最初で最後でしたが。

てらちゃんの印象は、頭髪を真ん中から五分五分に分けて、丸い金縁眼鏡。とてもアナウンサーに見えない、いつも笑顔をたやさない面白い人でした。今はすっかり中堅クラスになっているけれど、新入社員のころは、競馬の実況中継をやろうと一生懸命馬の名前を読む練習をしたけれど、馬の名前は覚えられないは、すらすら言うことはできないはで競馬のほうはすっかりやめてしまったということです。

さて上野公園に着いたのは午前10時少し前、見渡すかぎり人の山で、宴会もたけなわ。この日の天気は晴の良馬場状態。カラオケに熱中する人や踊り出す人で、桜も満開。

私は圧倒されっぱなしでしたけれど、とになくてらちゃんの胸を借りての第一声は、スタジオの愛川さんの「朝ちゃんはそばにいるの?」の呼びかけに「はい、キンヤさん、いやすごい人ですよ。あんな楽しそうにカラオケを歌っているので、私は思わずそっちのグループのほうへ行ってしまいましたよ」と精一杯の答えをしました。これが私のラジオ第一声。緊張して眠れなかったのが嘘のようです。案ずるより産むが易し。そしてその後は「CDにドン」というゲームをやりに上野の松坂屋の屋上と向島のおだんご屋さんの店先に行きました。松坂屋の屋上では、てらちゃんがリスナーの皆さんに呼びかけたのです。

「来週から競馬の予想をやる、朝ちゃんこと森朝子さんです。いやあ、本当にきれいな人ですね。こんなきれいな人が競馬の予想をするんだから、世の中変わったねえ。それでどのくらい当たるの?」(とフッてきた)。

今の私ならてらちゃんにきれいだと言われても、「何言ってんのよ。てらちゃんの眼鏡は皆きれいに見える眼鏡でしょ」なんて笑い飛ばせるところなんですが、そのときは上がってしまって「はあ、そうですか。ありがとうございます」なんて、まじめな顔をして美人気取り。「君は美人じゃないんだから気取るな」という大師匠の言葉は、そのときすっかり忘れていたんです。そんな緊張の中で、その日は三度の入中(向島のおだんご屋さん前からの生中継)を終えてほっとひと息。

ほんとうはラジオを聞いてくださっている方たちのために、競馬中継はないけれど、桜花賞の予想を入れておくべきだったかな、と反省しながらQRのスタジオに戻りました。戻ったのは生放送が終了した1時間後。スタジオにはもう誰も残っていませんでした。外回りの仕事は大変なものだと実感。そして、来週、4月17日からはいよいよ競馬場へひとりで出かけることになるのです。