今まで舞台やテレビドラマで多くの方たちと共演してきましたが、舞台やテレビでの印象と実際にお会いしたときの印象は人それぞれ違います。恐そうな悪役の綿引勝彦さん(最近はテレビでお父さん役もやっていますが)、実際はとってもやさしいんですよ。
愛川欽也さんの場合は、フジテレビの『なるほど!ザ・ワールド』や『出たもの勝負』、テレビ東京の『出没アド街ック天国』で司会をされているときのあの姿そのまま!
いまや日本中知らない人はいないくらいの、おしもおされぬ大タレントの一人というのに、「キンキ~ン!」って呼んだら、「ハイ、ハ~イ」とあの笑顔で答えてくれるという感じ。実際もそうなんです。だから愛川さんのいるテレビドラマの撮影現場はいつもにぎやかで、明るく、私もほかの作品に出演したときとはまるで違う雰囲気を味わいました。だからといって、緊張感がその現場にないというのではありません。ドラマの主人公の刑事役の「カメさん」や考古学者などをやっているときのほうが、なんとなく、ああ愛川さんが芝居しているという新鮮な感じがしたものです。でも、それはあたりまえですね。愛川さんは俳優座出身の役者さんなんですから。
生来のおしゃべり好きな愛川さん、ラジオやテレビの生トーク番組でもよくしゃべりますが、楽屋でもじっと黙っているということはなく、ひっきりなしにおしゃべりをして、みんなを楽しませてくれます。
ドラマですと、俳優は自分の出番の前には、自分の世界に入って、ひとりで台詞をぶつぶつ言っていたり、緊張しながらシチュエーションを考えたりして本番に臨む人が多く、本番前にまわりを笑わせたりするほどの人はあまりいないので、これには驚きました。そしていざ本番になると一瞬にして演技ができてしまう、そのすばらしさに感動。
もともと上がり症の私は、お陰で愛川さんと一緒に仕事をするときは、緊張する暇がないくらい笑ってしまって、本番では上がらずにすんだことがたくさんあります。本番前に考えなければならないこともあるのに考えないで出て、とちったこともありますが。
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